ぜひ観てほしい!「百姓の百の声」

先週、柴田昌平監督のドキュメンタリー映画「百姓の百の声」を観てきました。

監督がずっとやりたいと夢見てきた農への理解を「点」から「面」として深めていきたいということが叶った映画になっているとのこと。農文協が発行している「現代農業」の取材チームに協力を得て、1軒1軒百姓国の農家を訪ねて完成した映画。お百姓の生の声にどんどん引き込まれ、観る私の心に響きました。

上映後の監督のトークで、農業と言うと、問題や課題ばかりがクローズアップされる、一方でユートピアとして謳いあげるなど、二極化した話ばかりで、そこには普通の農家の人たちの声はないという話にハットさせられ、映画に引き込まれたのは普通の農家の人たち、地味だけど「百姓」にプライドを持った人たちの声だったからだと気づきました。

ひとり一人個性あふれる農家の人々。百姓とは自然と人間との接点であったり、百の仕事、何でもできる人、何でもやろうとする人、自然や作物、微生物と付き合う力を持った人。これまでも私たちの命の糧を供給し続けてくれるお百姓には感謝してきたけれど、改めて、すごい人たちなんだと思いました。さらには、自分の技術や知識を惜しげもなく周りと共有する「共有の知」を分かち合う文化。誰か一人のひとり勝ちではなく、それぞれが自分の農業を自分のやり方で築きながら、日本の農業を盛り立てていく、そんな営みが愛おしくてたまらない。

私は生協活動時代に農業政策を担当し、全国の提携生産者にも足を運んだし、特に都市農業を守るために、都内および近郊の農家がネットワークして組合員に供給するしくみをつくってきました。提携する農家との会議や交流、圃場視察などもよくやりました。そういう意味では、農家の苦労や知恵もたくさん見聞きしてきました。そんな活動を通して、種や農薬、肥料のこと、野菜の売られ方など色々なことを学ぶことができました。

区内の体験農園で野菜づくりをしてかれこれ6年。たった25㎡でも大変なので、農家の苦労は手にとるようにわかります。けれど、映画に登場するお百姓のひとりは道を楽しむ道楽だ、好きでやらなきゃ成功しないと言い切ります。また、別の方は辛いこと苦しいことは子どもたちには言わない、楽しいことだけを言ってきたから、その家族は小学生の孫からおじいちゃん、おばあちゃんまで総出で農作業をします。自分の意思で参加しています。

国会議員や国の役人ももっともっと百姓の声を聴くべきと思います。小さな農家も生き残れる政策を推進する必要があり、大規模農業のような画一的な農業にはいずれ限界もくるのではと危惧します。

杉並区の農地(正確には生産緑地)もこれ以上減らしたくない!農地の持つ多面的機能をもっと多くの人に伝えながら、杉並の農業を元気にするしくみをつくっていきたいと思います。