野外初の善福寺川フォーラム2022

暗渠の上に青いラインを引いて見える化

様々な環境団体が参加して実施している「善福寺川フォーラム実行委員会」の主催で11月19日(土)に都立善福寺公園下池・遅野井川親水施設付近において、青空の下「善福寺川フォーラム2022」が開催され、私も参加してきました。19回目となる息の長いイベントですが、屋外での開催は今回が初めてだそうです。

遅野井川親水施設を区長に提案した井荻小の子どもたちを応援し、親水施設づくりにもかかわってきたメンバーの多くが今回のフォーラムの運営も担っています。川のことや生物のことを語りだしたら何日でも語っているような方々ばかり。

●善福寺川を生き物が棲める川にしたい!

今回のフォーラムのテーマは”源流復活“。善福寺川を鳥やトンボや魚などの生き物が棲める川にしたい、同時に水害のない川にしたい。それにはどうしたらいいのかを一緒に考え行動したいということで、午後からの「みんなで語ろう話し合おう。杉並の水辺のこと、自然のこと」では、大人たちが遅野井川を下池まで延伸させる方策を話し合いました。親水施設は途中から暗渠になっているため、そこを開渠して上池と下池をつなげたいと考えています。暗渠の上に青い線を引いてこの下に川が流れているよと教えてくれました。

●上池・下池のかいぼりを実現させよう!

遅野井川の課題は上池の水質があまりにも悪いため、地下水をポンプアップして水路に流していること。本来は上池の水が遅野井川を通って、下池に通じるのが自然の流れ。それには上池をかいぼりして水質改善をはかる必要があります。子どもたちが入って遊ぶ水辺なので、水質の悪い水を流せないという事情があるのです。2018年の予算特別委員会でも遅野井川親水施設の水質について質問を行い、上池のかいぼりを東京都に要望してほしいと求めたことがありました。当時の区長からも、「東京都の公園ではございますけれども、調整をしながら、どういうことができるか検討していきたいと思っております」と答弁をもらいましたが、残念ながら未だ実現はしていません。

水質の悪さはコイがいることや、水量が少ないこと、コイやカモに餌をあげる、そして意外にもスイレンにも原因があるようです。餌やりが水質を悪化させていたなんて、子どもが小さいときはよくパンの耳をあげに行っていたので、なんと罪深いことをしてしまったと反省しました。井の頭池では2回のかいぼりでコイがゼロになったら、水の色が変わったそうです。健全な池の条件は在来の生き物で構成され、水循環が適切に行われることだそうで、井の頭池の場合、池の水量と1日の湧水がほぼ同じ6万トンなので、1日で池の水が入れ替わるという話にはびっくりです。遅野井川でも雨が降れば、川底から水が湧くそうです。

「かっぱの1日水族館」前で

●たくさんの生き物がいてびっくりです!

そして、この親水施設にも実に多くの生き物がいることにも驚きです。遅野井川かっぱの会「かっぱの1日水族館」ではドジョウやモツゴ、トウヨシノボリ、クロダハゼ、シオカラトンボのヤゴ、コカクツツトビケラ、ニンギョウトビケラ、カワニナ、モノアラガイ、サカマキガイなど聞いたこともない生き物が沢山いて、管理運営を任されている「遅野井川かっぱの会」の皆さんの川への愛情、手塩にかけた管理が生き物を育む川にしているのだと感動しました。

この日の議論では、下池まで遅野井川を延伸させたとしても、一番の問題は水源確保。どうやって水を引っ張って来るか、まだまだ議論とアイデア出しは続きます。