高齢者の気持ちになってみよう!聞いてみよう!

25年後の私です。

私も参加する市民グループが企画した高齢者疑似体験が11月26日にありました。高齢者疑似体験セットを装着することで、高齢者の身体的不自由さや辛さ、気持ちを実感するというもの。社協のボランティアセンターでセットはお借りできます。この日は小学生も参加し、子ども用の装具をつけて体験。大人も参加者全員が体験しました。私も高齢者の域に入り始めていますが、この先、どんな状態になるのかとても気になります。

●いざ、体験!

ベストのポケットに重りを入れ、手首足首にも重りをつける、膝当てひじ当て、首の後ろから膝までをベルトでつないで腰が伸びない状態に、目には白内障や緑内障などのゴーグル、耳にはヘッドホン、で写真の通りの姿に。視野が遮断されたゴーグルでは足元も見えなければ、周りの気配もわからない、耳から入ってくる情報が得られない不安、腰が曲がった状態でずっといることのなんと辛いこと。それが日常となれば大変なんだなぁと改めて実感。まちで見かける高齢者の仕草に参加者一同納得。シルバーカーやベンチはやっぱり必要だねと。

●「きょうよう」「きょういく」がある暮らし

89歳の高齢者から生活実態をお聞きしました。この方は、よく出かけ、よく歩くを心がけているのでとてもお元気。どこでも一人でお出かけします。家族がコロナの感染や転んだら危ないからと過保護にして外にお年寄りを出さないのはダメとぴしゃり!ご本人の家族からは携帯だけは持って出るように言われるが、それ以外、私から自由を奪わないことをありがたく思っていると。外に出かけて、家族以外の人と話し、コミュニケーションをとることはとても大事だと。また、耳が聞こえなくなるのも認知症のきっかけに。人との会話もちぐはぐになったり、ガスのピーという音が聞こえなくて鍋を焦がすこともあるから、補聴器は使った方が良い。認知症で消し忘れるだけではないということに気づかされました。また、困ったら周りの人に助けを求める!これ大事。「今日用」があって、「今日行く」ところがあるって大事です。その人の出番があることで、その人の能力も引き出される、結果、いつまでも元気でいられるということだと思います。だから、安心して出かけていける先を地域の中にたくさんつくることが必要です。

●そうだったのか

体験者からは、スーパーのレジで間隔を開けて並んでいるとお年寄りが割り込んでくることがあって、どうしたものかと思っていたところ、視野が狭まっているという体験をして、並んでいる人が見えなかったんだと納得したとのこと。高齢者の状況を理解していれば、声のかけ方も違ってくると思うと。また、耳が遠くなった方を交えての会話では、その方が疎外感を持たないような配慮も必要だということを確認し合いました。  杉並区でもすすめている「ご近“助”でほっこり」を合言葉に「たすけ・たすけられ上手」になって、身近な支え合いのまちづくりが広がっていくと良いと思います。

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