天ぷらバスで行く植樹ツアー①
●足尾の山に木を植える
私が運営に関わっているNPOのひとつ、「環境まちづくりNPOエコメッセ」が20周年を記念して実施した天ぷらバスで行く足尾銅山植樹ツアーに参加。紅葉真っ盛りの晴天にも恵まれた森を堪能し、都会での埃を浄化してきました。
現地の案内人「森びとプロジェクト」は“山と心に木を植える”を合言葉に、故宮脇昭先生の密植混植方式で植樹をし、森を再生する活動をしています。足尾銅山での植樹活動もその一つ。銅山の開発で出された排煙や鉱毒ガス、鉱毒水などの有害物質の影響によって周辺環境に甚大な被害をもたらした公害事件は有名ですが、山々の木も枯れてはげ山になった所を「森びとプロジェクト」の皆さんが18年かけて森をよみがえらせて来ました。
エコメッセは2005年から5回、足尾の山に植樹をしてきましたが、10年のブランクがあり、今回の企画はエコメッセが植えた木々は、足尾の山はその後どうなっているかを見に行くというものでした。私は足尾に足を運ぶのは初めてでしたが、森の中は落ち葉やコケのふかふか絨毯のよう。あちこちに落ちている鹿やイノシシの糞をよけながら、時には熊もやってくるとか。植えていない木は動物たちが運んできたに違いなく、自然の営みが感じられる空間が広がっていました。植物や樹木に詳しいスタッフから説明を受けながらの森歩きは、何倍も賢くなった気がします。森も土づくりが大事で、木の育ちも全然違うことや木は植えて終わりではなく、3年はきちんと下草刈りなどの管理をして見守ることの大切さ、トチノキの冬芽が乾燥から身を守るためか、飴を絡めたようにべたべたしていること、ヤマナラシは葉の両面で光合成をするので倍のCO2を吸収すること、タブやカシは直下にしっかり根を張ることなどなど、色々と教わることができました。
「森びとプロジェクト」は南相馬市の森の防潮堤の活動も行っており、10万本の植樹を計画しているとのこと。森びとさんの今年度からの代表は元南相馬市長の桜井勝延さんで、震災当時の市長として杉並区ともかかわりの深い方でしたので、何かご縁を感じます。
つづく