東京にこそ広めたい「グリーンインフラ」② “あまみず”編

2018年1月29日 09時09分 | カテゴリー: 活動報告

小中学生の環境活動の発表会「環境サミット」で 1/20

雨水を‘うすい’ではなくあえて‘あまみず’と読む。何とも情緒的で自然への優しさを感じます。「あまみず社会」とは雨水を貯留・浸透させ、一挙に地下・河川に入れない分散型の水管理であり、水と緑による有機的な社会を言います。杉並区もそうですが、現在の多くの下水道システムは合流式下水道です。雨水も汚水もすべて同じ下水管に流れ込み、雨量が増すと下水管のキャパを越えた汚水交じりの雨水が川へとあふれ、さらに洪水となって人々の暮らしを直撃します。

都市型洪水は衛生的にも問題が大きいのです。都市の‘あまみず’は地下に潜り見えないため、日常生活から関係性が切れてしまい、私たちは水の循環や問題を意識しなくなっています。また、水問題は全部つながっているのに森林や河川、上水、下水、公園、道路などの管理者や学問も縦割りのため、問題がトータルに考えられていません。基本、降った雨は浸透させれば良好な緑を増やし、地域を守るコミュニティ治水となります。大雨の時は洗濯やシャワーを控えるなど日常水利用の工夫や雨水活用のための貯水、災害用水など、時間と空間を意識してみんなで協力して浸透、貯留に努めることが必要。樋を1本切って地面に染み込ませるだけで10%程度の流出抑制につながるそうです。また、雨水タンクに一旦雨水を貯め、時間差で放流したり貯めた雨水を花木の水やりに活用など、小さな取り組みもたくさん集まれば有効です。

一方、地域的に見れば、浸透が大きいのは落葉樹林や農地で毎時200mm以上、常緑林や前庭植栽も毎時約100mmの効果があります。個人の取組みとコミュニティでの流出抑制対策を組み合わせれば、大規模な貯留施設を建設しなくても洪水は防げそうです。下水管を汚水と雨水の2本を通せばいい訳ですが、今更工事は膨大な費用もかかり現実的ではありません。ですから、問題を共有し、個人が取組める対策をもっと積極的に進めるべきです。杉並区では「雨水浸透施設工事費の助成」を行っています。ぜひ、参考にしてください。

同日、午後に杉並区小中学生環境サミット発表会がありました。小学生も参加するようになって3回目。今年は13校(10小学校・2中学校・1小中一貫校)の発表がありました。仲間と一緒に調査・発見・学習・まとめ・発信を積み重ねてきた成果を垣間見ることができました。

井荻小と桃井第四小の善福寺川の活動発表はまさに「あまみず社会」に向けた提言。井荻小は9年前から善福寺川の流域も含めた清掃活動を代々引き継ぎ行っています。その活動を通して善福寺公園の上池と下池をつなぐ水路を親水型に改良する提案を区長にし、叶って現在工事が進行中です。その様子は1月27日に行われた『善福寺川「水鳥の棲む水辺』創出事業シンポジウム」でも発表。善福寺川を入り口に水循環や生きもの環境のことなど、多面的な学習が長きにわたって繰り広げられています。学校と地域の支えにも感謝です。

「自分たちは善福寺川のごみは拾えるけど、合流式下水道のしくみは変えられない!そのしくみを変えるのは大人の仕事」と井荻小の子どもたちに教わったと島谷先生がおっしゃっていました。子どもたちの提言を大人はきちんと受け止めなければなりませんね。