協働参加型の森づくりに参加

植樹の後は風による乾燥や雨による土砂の流出などから苗木を保護するために稲ワラでマルチング

湘南国際村で長年続けている「めぐりの森植樹祭」に参加してきました。今回22回目となりますが、私は初めての参加。この「湘南国際村めぐりの森」は神奈川県横須賀市にあり、民間事業者により約25年以上前から30haにわたる開発行為が行われていましたが、その民間事業者の業績不振により、神奈川県へ無償譲渡された土地です。開発により荒れ地となった土地を再生するため県は2008年から森林再生を市民による協働参加型のコア事業と位置付けて進めてきたということです。

主催するのは「協働参加型めぐりの森推進会議 混植・密植方式植樹推進グループ」と非営利型一般社団法人Silva。この「めぐりの森」では、市民、企業、県が推進会議の構成員や事務局となって、緑の再生・保全・活用につながる様々な取組を協働ですすめています。そして、この取組みを中心的に担っている「混植・密植方式植樹推進グループ」の考えは、豊かな自然と人々の笑顔が広がる都市近郊の森づくりを進める上では、地域に古くから生殖する樹種を力強く成長させる混植・密植方式による植樹が大切だということ。さらには、その苗木づくりを障がい者の就労の場として提供することもしており、社会的意義深い取組みに大いに共感。

●混植・密植方式って?                                          私も今回参加して初めて知りました。混植・密植方式植樹とは、潜在自然植生論に基づきその土地本来の樹種を混ぜ、1㎡に3本以上(今回は5~6本)密植するというもの。そうすることで森の再生速度を早めることができるとか。横浜国立大学名誉教授の宮脇昭先生が考案した植樹方式で別名「宮脇方式」と呼ばれているそうです。その、宮脇先生は残念ながら昨年7月にご逝去され、今回の植樹祭も宮脇先生の追悼の意味もありました。飾られた大きな写真の日に焼けた優しそうなお顔が印象的でした。

●日本の原生林はたったの0.04%                                    かつての日本は約7割が森林でしたが、人が手を入れていない原生林は今や0.04%しか残っていないとのこと。「Silva」の資料には   ~便利さや合理主義のもとに、人為的な干渉によって自然が大規模に失われ、地形も変えるような開発が行われました。けれども、私たちが生きていくためには、健全な生態系の営みによる安全な空気や水、土壌が必要不可欠です。その生みの親となる「森」が姿を消すことは、自分たちの生き場を失うことに直結します。あとから来るものたちのためにも、今私たちが残すべきものは「森」であり、「森」の役割や機能を理解する人を少しでも増やさなければなりません~ とあります。

「めぐりの森」ではこれまでに67,000本の植樹をしてきました。すでに森になっているエリアもありました。今回は2,500本を約600人の参加者で植樹してきました。植樹後の経過をきちんと管理し、3年間は必要な育樹メンテナンスをすることで、維持費要らずでメンテナンスフリーの自立した森へ誘導することが可能なのだそうです。私の植えた木も立派な森の一員となってくれることを願います。