捨てればごみ、活かせば資源!ファイバーリサイクルの現場を訪ねる②

ライオンの檻のようなカゴに詰め込まれ選別を待つ古着。白いベールは輸出用古着

●秦野工場で行われていること

回収された古布や古着はライオンの檻のような鉄カゴに収められています。それを毎日10カゴほど、毎日ですか?と聞き返したくなるほどの量。びっくりです。それを20人で260種類に選別しているそうです。例えば、ジーンズ、濃い、薄いインディゴ、カラージーンズに分ける、同じアイテムでも子ども用、女性用、男性用など基本中古衣料として売ることを想定して、相手国の需要に合わせて細かく分類していく。1階のヤードで冬物をはじき、ベルトコンベアーで春夏ものを2階に上げ、流れてくる衣類を瞬時に分類していく様はすごいスキルです。中古衣料として販売に向かないものはウエスや反毛に。ウエスは繊維から油が抜けている古布が最適。色や伸縮性、厚さで選別されます。反毛は再び繊維にしてセーターなどの素材になるものや、それには向かないものはフエルト状にして車の内装材や建築資材に現在もなっています。それぞれ、別の工場に持っていって加工していくとのこと。中古衣料はホットアイテムだそうです。海外向けのものには途中で抜かれないように針金でがっちり梱包されていました。つまり、価値があるということだと思います。ナカノはベール(写真にあるサイコロ状の塊)ごとにナンバリングをしていてトレーサビリティできるようになっているとのこと。他ではしていない!そして、現地のニーズと必要量を考えて商売することが結果的に持続可能な事業にしていくとのことで、非常に丁寧なお仕事ぶりに感動しました。

●私たちができること

先ずは良いものを大事にだと改めて思いました。そして、まだ使えるけど、自分には不要になったら、捨てるのではなく、また、次の需要につないでいく。区の拠点回収や集団回収に出す、フリマアプリを活用して、まだ使えるものは捨てない、ごみにしない。私は高円寺にあるチャリティショップの運営に関わっていますが、そこでは衣料だけでなく、雑貨や着物など様々なアイテムを寄付していただき、その収益を環境活動に活用していくことをやっています。古着を買った人は、その分新品を買わないということと、ごみを減らしているという2つの環境効果を見出していることになります。洗濯やクリーニングをしてからというとハードルが高くなるので、“たんすにしまってあったもの集めます!”と言うといいよとアドバイスいただきました。なるほどねぇ~

古布の行方はずっと気になっていました。食品ロス問題も衣類のごみ問題も一緒です。モノを買う時、これ本当に必要?と自分に聞いてからにしようと改めて思った次第。モノの豊かさの裏側をきちんと知ること大事です。