水害にどう備えればいいの?

杉並区都市整備部土木計画課が行っている出前講座「水害に備えて いまあなたができること」の実施を、生活者ネットワークも構成団体となっている生活クラブ運動グループ地域協議会に提案し、昨日オンライン併用で実現。

杉並区の水防対策は2005年9月4日の大洪水をきっかけに大きく変わったそうです。1時間に112mm、総雨量258mmが3時間で降り、甚大な被害をもたらしました。年々、雨の降り方は激しくなり、昔と比べて50mm降雨は3倍になっているとか。地球温暖化の影響は明らかであり、都市に住む私たちには都市なりの水害の危険性を認識しておく必要があります。川のそばでないから安心と思っていたら、下水管で処理しきれなくなった雨水が排水溝から逆流してくる内水氾濫もありますから要注意です。マンホールのふたが押し開けられ水が噴き出す現象も内水氾濫。

区は気象庁の防災情報の「気象台からのコメント」を見ながら、20mmで水防体制立ち上げ準備、30mmで体制を整えるとのこと。区内23か所指定されている水害避難所は職員によって運営されますが、状況ごとに開設がされるため、開設状況を区のHPや電話で確認が必要です。でも、自宅の2階に垂直避難ができる場合はそれが最も安全な避難方法として推奨されています。全域に被害が及ぶ地震とは違い、水害は地域性があるため、区として正解の対策はなく、ご自分の自宅がどういう場所にあるのかを確認し、「我が家の水害ハザードマップ~マイ・タイムライン編~(HPからダウンロード可能)」づくりも平時から家族と一緒に行っておくと、いざという時に慌てずに済むと言います。水害の恐れがある場合は、自由に取り出せる土のうの設置場所の確認や防水板の設置(助成あり)もしておくとよいですね。とにかく、必要な情報が詰まっている「水害ハザードマップ」を入手しておくと役に立つと思います。

ハード対策では環七の地下調節池が知られていますが、今、区内でも降った雨をいったんため込む施設をあちこちでつくっていたり、学校校庭の下に設置する雨水貯留槽や、透水性舗装、河川の改良工事などで、被害も減っていくものと思います。私たちが住む都市は、アスファルトで覆われ、降った雨のほとんどは下水に。その容量を超えた場合は川に流れ込む仕組みになっています。今年8月から河川ライブカメラが善福寺川で3か所、神田川で2か所設置され、川の様子がリアルタイムで確認できるようになりました。下水にはトイレや生活排水も一緒に流れているので、それが川に流れ込むととても不衛生なわけです。雨が一定程度降り始めたら、お風呂の栓は抜かない、洗濯は控えるなど、下水に流す排水量を減らす配慮が必要です。さらに、みんなが、自分の家の屋根に降った雨は下水に流さない家づくりをしていけば水害の抑制にもつながりますね。そのための助成制度も区にはありますので、上手に活用していくことをお勧めします。詳しい情報は区または生活者ネットワークにお問い合わせください。