3.11を忘れない!

杉並区が主催する「3.11をわすれない」に今年も参加。

東日本大震災から10年経った今も、故郷に戻れない、戻らない方が被災地3県で4万人以上と言われ、その内の多くが福島県の方々。東京電力福島第一原発事故さえなければと思う度に胸が苦しくなる。原発の廃炉に向けたロードマップは気の遠くなるような年月とお金がかかる。そんな恐ろしい原発を持ち続ける意味が分からない。

 

杉並区は交流自治体である福島県南相馬市に対し、物的・経済的支援や職員の派遣などずっと支援してきた。被災地の苦しみに寄り添い、前に向かってすすむことを応援するために毎年シンポジウムも開催してきた。昨年はコロナの影響で中止を余儀なくされたが、今年は感染予防対策を行って実施。今年の講演は岩手県陸前高田市から、避難所アドバイザーであり、防災士である佐藤一男さんをお招きし、お話を聞いた。備えの重要性について、家具の固定、備蓄品、避難確認など地域の支え合い、ハザードマップを知る、情報発信をするためのSNS活用など、散々言われていることだが、改めて確認することができた。そして、特に参考になったのは避難所運営で心がけたこととして、

・物資は見えるところに置く(あるものないものをオープンにする)

・女性役員の意見を優先的に聞く

・明日の最善より今の次善

・役員は物資を先に取らない

・均等ではなく平等(必要な人に必要な分を、もらわなければ損だはNG)

・物資配布は時間を決める(みんなが戻ってくる夕方6時から)

・配布の順番を変えながら

・役員が決定し、お知らせは全員がいる時に など

また、災害発生が問題を引き起こすのではなく、普段の生活に隠れている問題が表に出てくるということもなるほどそうかもしれないと妙に納得。避難所でのルールは住んでいる人が平時から決めておくことが重要で。ペットはどうするとか赤ちゃんが来たらどうする等、日ごろからの地域住民の合意形成が必要だということも。そして、持病の薬をのんでいる人は2日分くらいはいつも携帯する、あるいはお薬手帳を持ち歩くなど、普段飲んでいる薬がわかれば、いざという時にもすぐに処方してもらえるということや、歯痛ぐらいでは後回し、だから歯の定期健診も防災ということも目からうろこ。

100年間自然災害のなかった地域はたくさんあるけど、1000年間なかった地域はない!昔の人は石碑に教訓を残している。その石碑の下につくった住宅や学校は皆被災したが、津波は石碑の足元で止まったと。過去の言い伝えを決して侮ってはならないということだろう。備災について改めて点検しようと思う。