ハラスメントを許さない!~議会報告②~
一般質問で取り上げたもう一つのテーマは「ハラスメントを許さない職場、地域の実現に向けて」。
東京ネットワークの「女性が暮らしやすいまち~安全安心プロジェクト」が行った自治体施策の調査から質問をしました。自治体調査はセクシャル・ハラスメント、ドメスティックバイオレンス、性暴力の3つのテーマについてアンケート方式で実施。私はセクハラチームに参加しましたが、それぞれのチームでは勉強会や視察、当事者や支援者からの聞き取りなどを行い、調査項目を作成。23区25市から回答を得ました。生活者ネットワークが施策に期待する値を100としてアンケート回答を点数化しましたが、1位でも54点、平均33.93点と、私たちの期待値との開きに愕然。杉並区は40点11位という結果でした。決して自慢できる結果ではありません。何ができていて何が課題なのかを明らかにしました。一般質問ではセクハラ、デートDVを中心に、DV,性暴力は決算特別委員会で質問をしました。
セクハラ問題は主に区役所の職員に対してどのような対応がされているかを確認。相談しやすい環境になっているかは相談者側が評価することなのでわかりませんが、相談体制はそれなりに整っており、セクハラに関する規定や具体的な内容を示した基準はあり職員に周知していました。ただ、被害当事者にとってどうなのかはやはり実態調査が必要です。調査をしていない区に対し、実施している他の自治体の取組みを参考に、今後調査を実施していくよう求めました。
◆早い段階からデートDV防止プログラムの実施を!
区ではデートDV防止の出前講座を行っていますが、これまでは区内高校でしか実施がされていませんでした。これまでも生活者ネットワークでは中学生を対象にも行うべきと要望し、今年度、やっと中学校1校で実施予定とのこと。これを皮切りに全中学校に広がってほしいと思います。性教育や人権教育が立ち遅れている日本。以前に「0歳からはじまるオランダの性教育」という本から年齢に応じた性教育の重要性を学びました。それに比べ、日本はなんとお粗末なことか。子どもたちがネットなどから性に関する間違った情報を得る前に、正しい知識や情報、自分も他の人も大切にし、お互いを認め尊重し合うことを学んでいくことはとても重要です。教育委員会からは誰も被害者にも加害者にもしないために、今年度のデートDV防止出前講座開催校の様子を中学校間で共有し、様々な教育活動の機会をとらえて生徒の心を育んでいくと前向きな答弁を得ました。
◆DVや性暴力について決算特別委員会で質問
DV相談支援は利用できるサービスや法律、医療、住宅、就労など幅広い情報が必要となること、さらには子どもの虐待とも密接にかかわることから学校現場や子ども家庭支援に関わる部署など全庁的な連携が必要で、そのための研修も重要です。関係所管を対象とした研修については今年度実施し、子ども分野の職員にも呼び掛けていくとのこと。
一方、特に専門的なスキルが必要な性暴力被害者相談については外部の専門機関や警察にきちんとつないでいくことが必要です。24時間365日対応可能なSARC東京は東京都の「性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援事業」を担っていますが、そういった機関情報になかなか行きつけない現状に対し、被害者や相談を受けた身近な人が相談先の情報を得やすくする広報の工夫を要望しました。
このコロナ禍でDVが増えていると言われていますが、区では相談件数は増えていないとのことでした。しかし、コロナ禍で家族が在宅していれば相談ができる状況にはないということもあると思います。だからこそ、様々な分野での目配り・気配りが必要となります。
また、性暴力については#MeToo運動やフラワーデモによって、これまでなかなか表面化してこなかった問題が取り上げられることとなり、女性への性暴力は絶対に許さないという空気が広がっています。DVや性暴力、あらゆるハラスメントの被害の圧倒的多数は女性ですが、男性にも起こり得る問題でもあり、社会全体として意識改革をしていくことが必要です。来年度以降行われる杉並区男女共同参画行動計画の改定に、今回、私たちが実施したアンケート調査の内容が反映されることを期待したいと思います。