改めて気づかされた視覚障がい者の困りごと①
コロナの影響で人が集まる会合はほとんどオンラインになっていて、以前よりむしろセミナーなどの参加はしやすくなっています。今回は、この間、2回(6・8月)参加させていただいた、視覚障がい者支援をしているNPO法人グローイングピープルズウィル(GPW)の勉強会の様子をお伝えします。
1回目は6月、「新型コロナウイルス終息後の視覚障がい者の日常生活を考える」がテーマ。このコロナ禍において、視覚障がい者が何に困っているのかを具体的にお聞きすることができました。日本の視覚障がい者は164万人で、内32万人が身体障害者手帳を保持しているとのこと。なかなかメリットがないため手帳を保持しない方が多いようです。164万人の内ロービジョン(弱視)の方は144万9千人、失明者は18万8千人。現在の視覚障がい者は後天的な病気から発症することが多く、点字が読める方は3万人。視覚障がい者の間でも、状況は様々であり、お互いを理解しあうことが必要だとのことです。
耳で聞く情報が頼りである視覚障がい者にとって、今回のコロナの影響で普段と違う戸惑いが多くあることに気づかされました。例えば、買い物の際、商品を触って確認ができない、レジにビニールの仕切りがあり、さらにマスクをする店員の声が聞きとりにくい、人との距離感がわからないため、近づいてしまい注意される、アルコール消毒のある場所がわからない、電車やバスが窓を開けているため、アナウンスが聞こえない、同行援護を頼みにくい、店舗のお客さんが外まで並んでいて、歩道を歩く際にぶつかって怒鳴られるなど、これまではなかった課題が浮き彫りになっているようです。周りの者のちょっとした配慮があれば解決することが多いように思います。以前にも全盲の方のお話をお聞きする機会がありましたが、コロナに限らず、歩道を走る自転車が怖いこと、白杖を何度も折られた経験があり、白杖がなければ一歩も前に進めなくなること、横断歩道の信号は車の停止する気配で判断するそうですが、雨の日はそれが難しいことなどもお聞きしました。音声式信号の少なさも、視覚障がい者を日々危険にさらしているのだということを私たちは気づかなければなりません。音声信号に限らず、信号が変わったことをスマホなどに伝えるようなシステムが標準装備にならないものかと、区にも要望したことがあります。当事者の立場に立ったまちづくりが急務です。