新型コロナウイルスが私たちにもたらしたもの③~ケアラー編~

八重のドクダミを見つけた!

ケアラーである「私」が緊急入院となったら…
杉並区は家族がコロナに感染した場合に残された介護が必要な家族をショートステイなどの手前に、旧西田保育園を活用して一時的に預かり、健康観察を行う事業を始めました。コロナは通常の枠組みだけでは対応しきれない厄介さが様々なところで生じています。

ケアラーが緊急入院などの必要に迫られた場合、残された家族のことを誰に託すのか、その際に要介護者の様子をつぶさに伝えておきたいと思うのは、自ら介護できなくなったケアラーの気持ちではないでしょうか。
私は以前よりケアラーに光を当てた支援の勉強会への参加や情報交換を行っていますが、今回、日本ケアラー連盟の方から、「緊急引き継ぎシート(ケアラーのバトン)」の提案をいただきました。平時よりあったようですが、コロナ禍において改めてその必要性が注目されます。ケアラー自身のこと、要介護者のこと、介護を引き継げる人がいる場合のその方のこと、その他、留意してほしいことなどをあらかじめシートに詳しく記入しておくものであり、ケアラーの緊急時に備えるという意味で私も有効だと思いました。
そのため、今回の一般質問でも、このシートを広めてほしいということを区に提案しました。

しかし、区の答弁は既にある災害時のための「地域のたすけあいネットワーク(地域の手)」で対応可能、また、担当ケアマネがその当事者についての情報を把握しているため、新たなツールがなくても大丈夫と。“地域の手”は災害時における要支援者の個別避難支援プランを作成し、緊急情報キットで冷蔵庫などに保管しておき、さらには平時の救急搬送などの際にも活用できるもので、どちらかというと独居高齢者や高齢者世帯などが主な対象になります。私の提案と目的や使い方が違うということを再質問で訴えましたが、区の答弁は変わりませんでした。”地域の手”では区が集めた個人情報を震災救援所運営連絡会や民生委員、警察、消防などとも共有するため、必要最小限の範囲の情報に限られています。また、このしくみがいざというときにきちんと機能するかどうかという点でも不安もあります。改めて、“地域の手“が実行性を伴うものとなっているか点検していきたいと思います。

一方で、今回、私が提案した「ケアラーのバトン」についてはここで紹介することを了解を得ましたので、高齢者や障がい者など、ケアをしているご家族がいる方、また、ケアマネなどにも活用できるツールではないかと感じています。ぜひ、ご活用していただければとご案内します。
詳しくはhttps://carersjapan.jimdofree.com/新型コロナウイルス関連/