子どもの権利を保障する~西東京市に学ぶ~②

西東京市は子ども条例推進の主な取組みに①子ども施策推進本部の設置②子どもの相談・救済機関の設置③子ども条例の普及啓発を掲げています。今回、子どもの相談・救済機関の設置について詳しくお聞きすることができました。子どもの権利擁護委員(弁護士・公認心理士・スクールソーシャルワーカー)の設置や子どもの権利擁護相談・調査専門員の設置、子ども相談室の開設などの体制を整えるにあたって、相談専門員が決まるまでの苦労話もあり、子どもの権利について正しく理解し、子どもの声に耳を傾け、必要な助言ができる人材を日ごろから育成しておくことが必要だと改めて感じました。
子ども相談室には「ほっとルーム」が、擁護委員と専門員には「CPT(children protect team)~子どもの笑顔を守るため~」という愛称がついています。市内全公立中学校生徒会を訪問し、条例や子どもの相談・救済機関の説明をするとともに、愛称の募集も行い、すべての生徒会から愛称案が集まったそうです。その後、小学生のワークショップで愛称案を3つに絞り、最終的には小学校においてクラス投票を実施し決定したということで、市内公立校に通う児童・生徒のほとんどがかかわる仕掛けをつくったところは素晴らしいと感じました。
また、普及啓発の一環として、子ども条例についての理解を深めてもらうために、子ども条例副読本や広報冊子を東京経済大学のゼミ生の協力のもと作成しています。副読本はCPTが小学6年生でいじめ授業の際に使用しているそうです。また、広報冊子は中学校の全校朝礼で紹介をしたり、保護者や市民対象に活用しているそうです。様々な行事や祭りなどでもいかに普及啓発するかという姿勢がうかがえます。子ども相談室が入っているルピナスまつりでは、権利擁護委員や相談員と子どもたちが名刺交換をし、お互い顔見知りになることで、相談しやすい環境を整えるというアイデアも面白いと思いました。あらゆる場面で子どもの立場から取組みがすすめられ、子どもの意見表明権をきちんと保障していることの重要性を改めて確認し、今後の参考にしていきたいと思います。