精神疾患に対する理解を深め、ともに生きる環境づくりを 松沢病院視察その②

  同僚議員、そね文子(右)と

今回見学したのは認知症病棟、身体合併症病棟、急性期病棟、外来などでしたが、このほかにも、薬物・アルコール依存症や医療観察法医療など、さらに高い専門性を要する医療現場は私の想像をはるかに超える大変さがあるだろうと思います。自ら受診しにくる任意入院に対し、強制的入院や緊急入院が過半数を占めること、また、昨今の傾向として脱法ハーブなどによる入院患者が激増しているということ。普通の人が簡単に手を出し、ハーブをやったその日に入院というケースも多く、いかに危険なものかということがわかります。

 しかし、一方で精神科の入院期間は短くなっていて80%が3か月未満で退院しているということで、地域の医療機関との連携によって患者の社会復帰を支援することも重要な事業に位置づいています。これまで日本の精神科医療事情は入院に頼り、社会から隔絶してきたことに対して、現在は先進諸国のようになるべく地域移行していくための制度・体制に向かおうとしています。

 そのこと自体は大事なことではありますが、社会全体がまだまだ精神疾患に対する理解を深め、共に暮らしたり、働いたりする環境づくりに追いついていない現実もあります。そして、その社会が精神的病を生み出している根源にもなっていることにも気づかなければなりません。当事者の問題に終わらせない社会全体の問題としてとらえることの重要性を改めて認識させられました。