空き家を活用してまちの居場所づくりを その②

お花見に参加 左から神田川ネットワーク・保坂公人さん、奥田雅子、区議・市橋綾子、桃園川の活動をする島尻茂樹さん 天沼東公園で 4/4

 空き家が放置されるにはいくつかの要因があることも見えてきました。固定資産税の軽減措置によって、建物がある場合と更地にした場合では土地の固定資産税で最大6倍、都市計画税では最大3倍の差があることや解体費用がかかること、相続したものの使う人がいない、遠方で管理しきれない、売るに売れないなどそれぞれの事情があるようです。

 しかし、空家対策特別措置法では、自治体によって、建物が建っていても「特定空家等」に指定されると、更地にした時と同じ固定資産税がかかるようになりました。そのことにより、一定の空き家は減るかもしれませんが、そもそも解体費用が捻出できない場合にはさらに個人の税負担が増えることになり、もう一段の対策が必要となってきます。

 文京区では解体費用を上限200万円助成するしくみがあるそうです。自治体が条例を定め、特定空き家等に対して市区町村が所有者に除却や修繕の指導や勧告、命令、代執行ができるようにしているところもあります。

 杉並区においては「杉並区生活安全及び環境美化に関する条例(2003年10月施行)」によって空き家所有者に対して命令、行政代執行ができるようになっていますが、空家対策特別措置法とリンクした条例に見直していく必要がありそうです。

 ただ、この問題は単に空き家をなくすだけではなく、まちづくりの観点から除却後の活用についても具体的な対策をもってすすめていくことが必要だと思います。空き家の所有者にとっても、そこを活用したい側にとってもウィンウィンな状況を作り出せるための知恵と工夫が必要です。活用方法について住民同士の話し合いに区が仲立ちすることで信頼が担保でき、地域づくりも促進されるのではないかと考えています。