空き家を活用してまちの居場所づくりを その①

  左は小松久子・都議会議員

三寒四温、なかなかコートを手放せませんが、まちを歩いていると目には春の様相で、桜のつぼみも膨らみかけ、開花の時期を待っています。しかし、思わず引き寄せられる梅の花や侘助の花の咲くお庭には家の主(あるじ)の気配が感じられないこともあり、ここも空き家かしらと思うことが多くなっています。

 空き家が放置されていると、防犯上や衛生上、景観の問題などから地域の中で迷惑な存在となってしまいます。でもうまく活用すれば、有効な社会資源として生まれ変わることができます。所有者と地域の人々と一緒に活用方法を考えることができるなら、よい地域づくりにつながるのではないでしょうか。

 私が事務局長を務めていたインクルーシブ事業連合でも、空き家が増える昨今の状況に注目し、有効な活用方法について検討してきました。実際に、空き家などを活用してカフェ・居場所・相談やたすけあいの拠点「まちのほっとスペース」などの事業の推進もしています。

 国でもこの問題を重視して、昨年11月、衆議院解散直前の臨時国会で「空家対策特別措置法」が成立し、今年2月26日施行されました。増え続ける空き家、2013年10月の総務省の住宅・土地統計調査によると全国の空き家は約820万戸で空き家率は13.5%となっています。同時期、杉並区でも空き家実態調査を行い報告書にまとめられています。

 この報告書によると、区内の空き家は、集合住宅での空き室は含めない戸建てを主な対象とすると409戸となっています。地域ごとに数字が出ていますので、関心のある方はインターネットで報告書を検索してみるとよいと思います。(つづく)