女性が生きやすい社会にならなければ子どもは増えない
生活者ネットワークは2020年に「女性の安全安心調査」として都内に暮らす女性の生活実態を調べました。私もこのプロジェクトに参加しましたが、「男は仕事、女は家庭」と考える人はすでに少数派なのに、実際には家事も子育てもひとりで担当する「ワンオペ」という状況がまだ根強くあることにショックを覚えました。
女性に対する暴力やセクハラに対する自治体の取組み状況も同時に調査をし、女性問題の専門家のアドバイスを受けながら「ここまでは取り組んでほしい」と考えるラインを100点として点数をつけたところ、杉並区は23区中8位でしたが得点は40点。とても合格とは言えない点数でした。
国の政治を見れば、少子高齢化が深刻です。30年前から言われていたことで、この間何もしてこなかった訳ではないでしょうが、効果がなかったと言うしかありません。
今、岸田政権の下、異次元の少子化対策が打ち出され、たくさんのメニュ―が並びましたが、その財源が示されていないため、選挙後には、これもあれもできないという結果になるのではないかと危惧します。
少子化は「女性の晩婚が原因」と言った当時副首相がいました。結婚年齢が高くなったのは女性のわがままでそうなった訳ではなく、政策の失敗を女性のせいにしないでほしいです。結婚して子どもを持つと「ワンオペ」の負担がのしかかる、シングルマザーの6割は貧困状態に陥ってしまう現実があるとき、異次元の経済支援と言われても、そもそも論が解決しなければ女性がもっと生きやすい社会にはならないと思います。
世界経済フォーラムが行っているジェンダーギャップ指数というのがあります。2022年の日本のジェンダーギャップ指数は146か国中116位と相変わらず後ろから数えた方が早い状況で、主要7か国の中で最低です。
昨年、杉並区で初の女性区長が誕生しました。 区政のトップに女性が就くのは待ち望んでいたことです。岸本区長自身も女性の力を引き出し区政に生かすことに力を入れると明言しています。
40年以上前から女性の声を政治に反映させようと頑張ってきた私たち生活者ネットワークは、岸本区長の今後に期待しています。とは言え、すぐには変わらないでしょうし、女性の管理職が一気に増えるとも思えません。世の中全体が変わる必要性を強く感じます。