ケアする人もされる人も大切にされる社会に~その②~

区議会で質問する奥田雅子

私は3年前に父親を自宅で看取るという経験をしました。私の場合は介護保険制度についての知識が少しあったため、社会資源の助けを借りて乗り切ることができました。でも、行政のしくみを知らなければ使いようがありません。介護に行き詰まって悲惨な事件を引き起こしてしまう、事件に至らなくても、自身がつぶれてしまうようなケアラーがいても不思議ではないと思いました。そして、なんとかしなければと父の介護を通して強く思いました。

そのために必要なしくみとして、私が考えるのは、まず相談できる窓口、それもアクセスしやすい窓口です。さらに、一人ひとりのケアラーにどんな支援があればよいか診断するアセスメント、介護者同士がつながることができる居場所、介護から一時的に開放されるレスパイトのしくみ、介護離職していたケアラーには復職の支援なども必要です。

18歳未満のヤングケアラーの場合は、学びや遊びなどの子どもの権利を保障し、育ちを応援するための学習支援、家事支援のためのヘルパー派遣が必要です。

若者ケアラーには大学生活が続けられるような支援や就職サポートなどのしくみ、というように、ケアラーの状況によって必要な支援もさまざまだということです。

杉並区にケアラーや介護者支援の事業はありますが、今後、増えていく、それも多様なケアラーを支えていけるほど十分とは言えません。行政のしくみとして位置付けるための包括的な制度として、ケアラー支援条例が必要だと考えます。ケアする人もされる人も大切にされる社会をつくるため、引き続き区政に取り組みたいと思います。