年頭にあたり

昨年の統一地方選挙では、再び区議会に送っていただき、初心にかえって活動しようと努めてまいりました。しかしながら、安心できる暮らしが保障されているかといえば、相変わらずと言わざるを得ません。進展する少子高齢社会への対策は後手になり、昨年度の出生数は86万4千人と初めて90万人を下回ることに。人々の暮らしを支えるはずの社会保障は先行き不安ばかりが募ります。昨年6月、定年後に夫婦で95歳まで生きるには約2千万円必要という金融庁の老後資産の報告書が話題に。それに対して、表現が不適切として麻生金融相は報告書を受け取らず、またもや不都合な真実に蓋をするのかとあきれました。現政権の隠蔽・改ざんなど国民を欺き、問題への説明責任を果たさない体質が解決されないままの年越しですが、新しい年になったからとリセットしてよい話ではないと思います。国民の生活をないがしろにする国政の中、地方自治体としてすべきことを考え、誰も孤立させず、たすけあう関係性を地域の中につくりながら、暮らしの安心を広げていく取り組みを進めていきたいと思います。

そして、さらに待ったなしなのは環境問題。毎年のように自然災害による被害が各地で広がり、昨年もいくつもの台風が発生し、私も眠れない夜を経験しました。地球温暖化が確実に進み、私たちの暮らしを直撃しています。環境破壊は人間の営みが原因だとすれば、それを止めるのも人間にしかできません。次世代に安心・安全の地球環境を受け継いでいくための行動が求められています。スウェーデンの16歳のグレタ・トゥーンベリさんが国連において、大人たちに対策の強化を訴えたスピーチは世界中に波紋を広げ、各国・各地の多くの若者たちが動き始めました。昨年12月に開催された国連の温暖化防止会議(COP25)では、今年から本格的に始まる「パリ協定」に対する積み残し課題の議論が注目されました。しかし、各国の利害のぶつかり合いで、特に注目された各国の削減目標引き上げができるかという点では、2016年発効の「パリ協定」で確認している地球の気温上昇を産業革命前から2℃未満に抑えるという目標達成も厳しい状況です。日本も積極的な削減目標を提示できないばかりか、気候変動の最大の要因の一つである石炭火力発電の新設や公的資金で海外の石炭火力を支援している姿勢に世界から批判が集まっています。CANインターナショナルが温暖化対策に消極的な国に与える不名誉な賞に「化石賞」がありますが、日本は2回もその「化石賞」を受賞しています。政策転換が急務です。

私は昨年結成された「ストップ気候危機!自治体議員共同宣言の会」に参加。世界では1100を超える自治体が「気候非常事態宣言」をし、緊急行動を呼びかけています。日本では昨年9月25日の長崎県壱岐市が最初。その後、鎌倉市、長野県、北安曇郡白馬村、福岡県大木町、鳥取県東伯郡北栄町、堺市が続いています。杉並区においても宣言をするよう働きかけていきたいと思います。

今年も、よろしくお願いいたします。