保育園の質の確保は絶対的条件!【一般質問より②】

第2回定例会で行った一般質問のもうひとつのテーマは保育の質の確保についてでした。

杉並区は2016年度の保育緊急事態宣言以来、認可保育所の整備を精力的にすすめてきた結果、昨年度・今年度の2年連続の待機児童ゼロとなりました。今年4月に認可保育所入所申込者数は4147名で昨年度より67名増えましたが、昨年度も認可保育所を23所1440名の定員増を図り、認可保育所等入所内定率は77.1%に向上しました。2010年には37.2%でしたので実に約2.1倍になったことになります。それでも、まだ、入りたくても入れない世帯もあり、区は今年度も認可保育所の整備を進めるとしています。すでに、2020年4月にはさらに500名の定員の確保が見込まれているということです。こうして、数の上では充足してきたものの、やはり心配なのは保育の質の問題です。昨年の9月の保健福祉委員会に区立保育園に係る中核園の指定についての基本的な考え方が示され、区も保育の質の確保を重要課題だと捉えている姿勢を確認しています。私は、この区立認可園を中核園に据え、その地域にある公立・私立、認可・認可外を問わず、すべての保育施設が連携して、ともに保育の質の底上げを図っていこうとする取組みに期待をしています。来年4月よりスタートするにあたり、5回にわたる説明会が開催され、247施設中181施設、参加率73%の参加を確認し、おおむね肯定的な意見が寄せられたということでした。しかし、気になるのは、参加しなかった66施設はなぜ参加しなかったのか、そこへのフォローはどうするのかを引き続き求めて行きたいと思います。

7地域ごとに指定された区立認可園が中核園となるわけですが、保育の質のけん引役となる区立保育園の存在はとても重要であり、子どものいのちを預かり、豊かな成長を保障するためには、効率重視で進めることは決してあってはなりません。国の制度が公立保育園の民営化を促進する流れにあることが問題であり、区も財政的に苦しい立場にあることは理解しますが、保育の質を担保するためには区立と民間の保育所のバランスがとても重要だと考え、そういう意味ではこれ以上の民営化には慎重な検討を区に求めて行きたいと思います。

また、保育の質の向上のために「保育の質ガイドライン」の策定が進んでいます。これまでも、区内全保育所を対象としたガイドラインの策定を求めてきたことから、その取組みを歓迎するものです。このガイドラインの内容が運営事業者に理解され、保育士ひとり一人に浸透し、保育の実践に生かせるものになってほしいと思います。次の議会にはガイドラインの内容が示されると思われるため、引き続き注視して参りたいと思います。