【奥田雅子は実現します⑦】 都市農業の巻~その1~

私がこの20年間住んでいる上井草地域は、まだみどりも多く農地もあり、早稲田通りをわたって北側に来ると空気が違うとよく言われます。環八から西側に入ると気温が下がるのを感じ、みどりや土が夏のヒートアイランド抑制に貢献していることがわかります。

上井草の畑で保育園児の芋ほり

しかし年々農地は減り続け、早稲田通り沿いの生産緑地はほとんどなくなってしまいました。これからもさらに減り続けるのでしょうか。

1992年にできた生産緑地法では、30年間は生産緑地を維持しなくてはなりませんでしたが、その期限が切れる2022年がもうすぐ間近に迫っています。この年には畑だった土地の宅地化が一気に進むのではないかという、いわゆる2022年問題が取りざたされています。

そのような課題もあり、国が2016年におこなった都市農地を振興する法改正は画期的でした。これまで都市にはいらない、としてきた農地を「残すべきもの」に180度転換したのです。とは言え、農業者の高齢化によって営農が困難になった生産緑地を維持させるには、そこでとれた野菜を食べて支えるだけでは限界があります。

私は議員になる前、生活協同組合で地場野菜の共同購入を通して都市農地の保全に取り組んできました。この活動でも同じ課題を抱え、その解決策として、農業者と一緒に市民が農地を耕す体験型農園を研究し、実際に農園の開設も行ってきました。

杉並区でも井草5丁目に大きな体験型農園があり、私も1区画お借りして、園主の指導のもとで野菜づくりを体験しています。ここでは多くの区民が参加し、野菜作りを楽しみながら広い農地を一緒に守っている、という光景が広がっています。(つづく)