【奥田雅子は実現します①】 ケアラー支援の巻~その1~

世界に例のない速さですすむ超高齢社会にあって、杉並区の昨年4月1日時点の高齢化率(65歳以上の区民の割合)は約21%でした。若い世代の流入でこの割合は横ばいとなっていますが、杉並区の高齢一人暮らし世帯の割合は13%と、国や都の11%と比べて高くなっています。

大勢の仲間とともに政策を訴えました 荻窪駅島で3/17

2025年には団塊の世代が75歳を迎え、医療も介護も爆発的にニーズが増えることへの対策は急務です。健康で暮らす年月をいかに長くし、健康寿命と平均寿命の差を縮めて行くかが医療費や介護給付費を抑えていくために重要です。杉並区も介護予防策としてさまざまな事業を展開していますが、高齢者に対する情報提供のあり方や申し込み方法の工夫など、より多くの利用につながるよう検証が必要です。

生活者ネットワークは今から20年前、統一地方選で「子育て介護は社会の仕事」と打ち出し、多くの賛同をいただきました。介護保険制度が導入される1年前のことです。それ以来、高齢者や障害者、子育て家庭を支える仕組みを地域に生み出し、その現場からの声をもとに政策提言を行って来ました。

しかし、介護を社会化するしくみとして始まった介護保険制度でしたが財源問題が年々厳しくなり、保険料が上がる一方、サービスは縮小し、再び家族介護へと逆行しています。社会全体で支えるべき介護が家族の仕事として行われるときに何が起こるか。密室の中でひたすら介護をこなさなければならない辛さが家族の肩にのしかかり、虐待に至ってしまうかもしれない。この家族介護の問題は、高齢者介護に限りません。

高齢者だけでなく障害者や子ども、病人の世話などもふくめて、家族などが無償で介護を担う介護者の抱える辛さや苦しさの問題は共通しています。家族介護者のことを私はケアラーと名付け、その支援を訴えてきました。ケアラーが窮状に陥れば、介護そのものの破たんを招くばかりでなく、ケアラー自身の人生をも台無しにしかねません。

ケアラーによる虐待を防止するためにも、ケアラーを支援するしくみが必要です。(つづく)