一般質問を行いました 区議会第3回定例会報告①
「ケアラー」とは在宅で家族などの介護を無償で担っている人のこと。一般的には「介護者」と呼ばれていますが、高齢者介護をイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、家族介護を担う人の状況はさまざまです。高齢者だけでなく、病気、障害、事故の後遺症、薬物やアルコール中毒、引きこもりなどの理由によりケアが必要となったとき、それを家族のだれかが担当することに。育児も家族ケアのひとつと言えます。ふつう、高齢者は介護、障がい者は介助、傷病者は看病・看護という具合に呼称が違っていますが、いずれも家族介護者全体に共通する問題があることから様々な場面で介護を担う人を「ケアラー」としました。
2000年の介護保険制度導入から18年が経過し、この間、高齢化の一層の進展により、介護保険制度は改定のたびに財政の見直しを迫られ、利用者負担の増大を余儀なくされてきました。介護の社会化をめざして始まった保険制度ですが、いま再び家族ケアラーの負担が大きくなっています。
杉並区では介護保険制度導入後、早い段階から家族介護者支援事業を行ってはいましたが、昨今の問題として浮上しているダブルケアやヤングケアラー、介護離職や復職の問題などには十分対応できていない状況にあります。ケアされる側を支援する法律や制度はあっても、ケアラーを支援する法律は存在していないのが現状です。ケアラー自身の生活や人生の質の向上のための支援という視点が求められています。
区は様々な問題を抱えながらケアする人の実態把握に努め、福祉や教育・就労など分野横断的にケアラー支援の仕組みを充実させていくことが必要です。
区からは昨今の社会状況の変化を踏まえ、なお一層、高齢者から障がい者、子ども分野などで介護者支援について幅広く議論を深めていく必要があることから、分野横断的に対応策を検討する支援会議において介護支援等も十分念頭におき検討をすすめ、介護者も健康でその人らしい人生を送れるよう、介護者支援等に総力をあげて取り組むとの答弁がありました。今後、具体的な事業につなげていくようさらに取り組みを進めていきたいと思います。
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