杉並区議会進行中 ! 一般質問②「居住を支援する取り組みについて」
今回一般質問で取り組んだもう一つのテーマは「居住支援協議会」。「居住支援協議会」とは2007年に制定された「住宅セーフティネット法」に位置付けられたしくみです。この法律の目的は高齢者や障がい者、子育て世帯、低額所得者などの住宅の確保に特に配慮を要する方々(住宅確保要配慮者)の住まいの安定確保を図ることでした。その後、2017年にはさらに住宅セーフティネット機能の強化が求められ、一方で空家等の有効活用が課題となっていることを背景に大幅な法改正がなされました。家賃滞納や孤独死、子どもの事故・騒音等への不安から家主による入居拒否が起きやすい対象に対して、空家・空き室等を活用した入居を拒まない賃貸住宅の登録・あっせんや居住支援などを行っていく「新たな住宅セーフティネット制度」も創出されました。このような動きの中で、住宅確保要配慮者に必要な支援を協議・実施する組織である「居住支援協議会」が杉並区でも2016年11月に設立されました。
人口減少社会にあって、公営住宅の新たな建設は土地の確保や財政的にも厳しい状況です。それに代わるものとして既存のストックの活用や空き家問題の出口策としてかねてより私はこの居住支援協議会には期待をしてきました。しかし、なかなかその実態が見えてこないことから、区民にはもっと見えていないのではないかという問題意識からこの質問に取組みました。杉並の居住支援協議会は①民間賃貸住宅への円滑な入居支援策の検討と拡充②空家等の利活用によるモデル事業の実施③セミナーの開催を目的に掲げています。①ではアパートあっせん事業に協力する不動産業者は約530件に。さらに積極的に情報提供協力してもらえる不動産業者は46件にまで拡充。住宅確保要配慮者が住まい探しの相談にまちの不動産屋さんに行っても、区の窓口に行っても福祉的な支援情報が同じように得られることが重要であり、さらなる協力店の拡充に期待するところです。
また、②のモデル事業ではシングルマザーを対象としたシェアハウスが実現。このように少しずつ取り組みは広がっているものの、これらのアピールには大いに改善の余地があると感じています。独自のホームページの開設がまず必要であること、パンフレットやチラシ類の有機的な活用、例えば「住宅確保要配慮者」は住まい以外の生活課題を抱えていることも多いため、様々な関係機関で配布してもらうことや情報連携が必要であること、セミナーなどを通して多くの区民に居住支援協議会のことを知ってもらうことなどを提案しました。
「居住支援協議会」は学識経験者、東京都宅地建物取引業協会、全日本不動産協会、東京都不動産鑑定士協会、杉並区社会福祉協議会、NPO法人、区の保健福祉部・都市整備部で構成されていますが、多様なメンバーが1つのテーブルにつき議論する場ができたことは画期的でもあります。今後、さらに居住支援を行う団体や福祉事業者など現場からの視点も取り入れられるとより多様な発想が展開できるのではないかと思っています。住まいは生活そのもので人権にもかかわること。自力で厳しい人への支援は行政の重要課題であり、引き続きこの取り組みを注視していきたいと思います。