体験農園で都市を耕すー5坪の畑でも大変な労働と実感

週末に畑に通い汗を流す

週末に畑に通い汗を流しています

地球温暖化の影響か、雨の降り方が年々異常になっています。台風の被害も東北や北海道まで全国的に広がっています。中でもこれまで大きな台風にはあまり縁のなかった北海道にも8月以降台風10号を含めて4つの台風が襲い、農業王国・北海道の農産物に甚大な被害をもたらし、私たちの食卓にも影響が出ています。収穫への影響と共に今後の作付への影響も懸念されています。被害にあわれた各地の方々にお見舞いを申し上げます。

私は区議会議員になる前は生協の活動を通して、都内をはじめ全国様々な産地を訪れ農家の方々が日々抱える課題ややりがいに触れてきました。常に人間の力ではどうすることもできない自然と向き合いながら都会に住む私たちの食生活を支えてくれている農家の方々との交流を重ねてきました。農業における時間や空間、労力が評価されない価格で野菜たちはスーパーの棚に並んでいます。

葉っぱに産み付けられたモンシロチョウの卵

葉っぱにびっしり産み付けられたモンシロチョウの卵

日本の農業を生かすも殺すも、私たち消費者の買い方・食べ方が大きく影響しています。ですから、私は野菜やくだもの、肉などは基本的に国産品しか選びません。多少高くとも、それが持続可能な生産のための適正価格であって、子どもや孫の時代にも安全な食を引き継いでいくために必要なことと考えて、作っている生産者の顔を思い浮かべながら購入することにしています。食糧安全保障の観点からもとても重要なことで、もっと自給率を上げていかなければ、この先の私たちの食生活は守れないと考えています。

そして、同時に私が応援したいのは都市農業を何代にも渡って守ってきた農家。都市化の波に逆らえず、宅地になってしまう農地が多い中、今も残っている農地がこれ以上無くならないようにしていきたい。都市農業保全の意義や大切さについては今年の2月にも書きました。(こちら

頭ではたくさんの情報を取り込んで、農業のこと理解してきたつもりでしたが、実際に畑を耕すことは体験程度で、やったことはありません。やはり体験の域は超えないのかもしれませんが、やってみることにしました。継続的に農業に勤しむという面では一歩前進です。今年の8月から杉並区で2園目となる体験農園に応募して、その1区画で都市を耕し始めました。主に週末に園主さんからの講義があって、その指導のもとで、皆さんが同じように畑を耕し、作付け準備や苗の定植、種まきをしていきます。たかだか5坪分の広さですが大変な労働だと早くも実感しています。そんな簡単に実感してくれるなと農家の方には叱られそうですが、この何百倍(何千倍?)もの農地を毎日暑い日も寒い日も管理し続ける農家のご苦労に頭が下がります。

今、畑にはキャベツやブロッコリー、カリフラワーの苗が植わり、大根や白菜、水菜、カブの種をまきました。種のあまりの小ささにもビックリ。1ミリにも満たない小さな種から立派な大根や白菜などが出来るとは。種のもつ力にも脱帽。そして、芽が出たら今度は虫との戦い。葉っぱが穴だらけ。毎日畑に行けないとどうしても農薬にある程度頼るしかなさそうです。私たちは簡単に無農薬でと言ったり、虫がいたらいやだーと言います。なんとわがままなことでしょう。畑にはモンシロチョウが誰のキャベツに卵産もうかなと飛んでいます。園主さんの畑では毎日数十匹のモンシロチョウを捕獲しているのだとか。綺麗な蝶々も野菜づくりには害虫になるのです。雨の続く天候で野菜の生育が心配です。