大事にしたい!生命を守ってくれる農地 ②
昨今の温暖化の影響による異常気象を考えるにつけ、改めて農地や屋敷林などのみどりの大切さを思い知らされます。農地や林はたくさんの雨もその地中にため込むことが出来、ヒートアイランド現象を抑える効果もあります。自然の環境を保持することで生き物の生息や環境教育の場にもなるし、野菜などの生産にふれることで食育にもつながる。災害や火災などのいざという時の避難場所にもなります。そんな多面的な機能を発揮する農地や屋敷林を社会資源として保全していくために今後の区の取り組みに期待したいと思います。
「杉並区緑地保全方針に関する講演会・説明会」の前段で行われた東京農業大学の濱野周泰教授の講演で、「環境の利己的解釈が環境を破壊する」― 環境はお互いに影響しあうものだというお話が印象的でした。人間の簡単便利、不都合なことの排除によって環境を壊し続けてきた結果に昨今の異常気象があることを改めて自覚しなければならないと思います。
だから、せめて今あるみどりを地域の人々の力で残していく努力が必要です。みどりの空間が残らない原因に相続の際の税制の問題がありますが、地域の人の理解も大きな要因です。「苦情」を「感謝」に変えていく、そんなコミュニケーションも大事なことだと思います。今年の4月に施行された「都市農業振興基本法」ではそれらの課題解決も国や地方自治体の責務として位置付けられました。この法律が追い風になることを期待したいと思います。