杉並にもつくりたい! 富山型デイサービス②

   デイサービスわかばでスタッフの説明を聞く

今回訪問したデイサービスわかばは古い民家を、玄関やトイレ・お風呂のバリアフリー化をしただけでそれ以外はそのままの利用です。「家にいるのとおんなじなのよ」という利用者の言葉通り、お年寄りばかりが集まる施設ではなく、夏休みの宿題をやっている子どもやテレビを見ている人、簡単なリハビリをしている人、裏庭で畑仕事をしている人、台所仕事をしている人など日常の暮らしの延長線上にこの場があり居心地の良さが伝わってきます。縦割りを超えた柔軟なサービスは運営する側のセンスも求められますが、だからおもしろい。

 お年寄りが小さな子どもを見守ったり、一緒に昼食の準備をしたり、障がいのある方がスタッフを手伝ったり、利用者ひとり一人が自分の居場所や役割があることで良い循環を生み出しているように思います。

「わかば」では壁に理念が掲げられています。「自立を支援」「一人ひとりを大切に」「あたたかい声掛け」「明るい挨拶」「相手の話を聴く」「手は出しすぎず十分に見守る」「言葉にならない声を理解する」「ともに生きがいさがし」。これらの理念は富山型デイサービスに限ってのことではないとも思いますが、これらを土台にさまざまな人たちで織りなすこの空間には豊かな時間が流れているように感じます。

富山から発信されたこの取り組みは2003年「富山型デイサービス推進特区」が、2006年10月からは特区で適用された特例措置が全国でも実施できるようになっています。同一施設内で複数の福祉サービスの提供を行う場合の規制が緩和され、富山県以外でも増えてきました。この杉並でもこのようなデイサービスを実現するためには何をどうすればできるのか研究していきたいと思います。