消えた種子法!私たちの食糧安全保障は大丈夫?①

11/11東京生活者ネットワーク環境部会主催の勉強会「タネがあぶない❗️なぜ種子法廃止❓〜タネはみんなの宝〜」に参加しました。ほとんどの人が知らないと思われる種子法の廃止。私は新聞記事で知り、大変なことだと思いました。以前から遺伝子組換え作物を阻止する運動を行って来たし、生協役員時代は農業政策に関わり、「種子」には非常に興味を持っていました。種苗会社を訪ねて、日本の脆弱な「種子」の生産状況なども勉強したことがありました。在来種や今でこそ話題になってきましたが、江戸野菜などの伝統野菜の復活にも取り組んできました。「種子」が多国籍企業に牛耳られてしまったら、私たちの食糧さらには命までも多国籍企業の手の内にあることにもっと危機感を持たなければなりません。

この日のお話はまさにそのこと。ジャーナリストで市民バイオテクノロジー情報室代表の天笠啓祐さんを講師に「種子を考える 多国籍企業による種子支配と食料支配」について一緒に考えました。

自分で畑を耕し野菜作りをしなければ、なかなか「種子」に関心が及ばないかもしれません。果物のタネとは言っても「種子」という発想にはなりませんよね。でも、「種子」は主食であり重要な食料、つまり米もパンの原料である小麦も改めて「種子」だったと気づかされます。私たち人類の命を支えているのが「種子」だから、とても大切なもの。

日本人に欠かせない米・麦・大豆などの主要農産物を安定供給するために優良な種子の生産・普及を「国が果たすべき役割」と定めていたのが種子法です。その法律を廃止してしまったわけですから、これまで国や都道府県が責任を負っていた役割を民間企業にゆだねてしまったということです。

民間企業の参入を阻害しているというのが廃止の理由のようですが、1984年に農水省がバイオテクノロジー技術開発計画を発表し、これに基づいて法改正や指針などがすすみ、1986年にはこれまでできなかった民間企業の開発が可能になり、1996年には企業の本格販売も可能になっているわけですから、今回の廃止理由は全く意味を持たない嘘っぱちといえます。国や自治体につけていた予算を企業に流し、研究人材も民間に移行し、日本で培てきた多様な品種がこの先多国籍企業に吸い上げられてしまうのではないかと天笠さんは指摘しています。これまた安倍政権の国民のいのちより企業の利益優先が種子法廃止でも行われたということにほかなりません。