一票を持たない子どもたちのために投票に行こう!
私は安倍政権によって日本国憲法が脅かされていることに大きな危機感を持つようになった一人です。昨年来の安保法反対の運動を通して、改めて憲法に関心を持ち、自分なりに調べたり、様々な方からのご意見や情報をいただく機会を得たことが大きいです。昨年の5月から区議会議員という立場になったこともあり、そうではなかったらこれほど憲法に対する熱い気持ちにはならなかったかもしれません。日常の中でわざわざ憲法を取り上げて考えるような機会は普通の場合ほとんどありません。裏を返せば、憲法で国民の暮らしが守られているから、私たちはいちいち憲法に照らさずとも平和な暮らしを享受できていたのだと思います。しかし今、そのあたりまえが壊されるかもしれないことにまだほとんどの国民が気づいていないのではないかということに、とても恐ろしさを感じています。
現在参院選挙真っ最中ですが、安倍首相は自分の任期中に憲法改正を実現させると明言しながら、今回の選挙ではそのことをポケットにしまいこみ、一言も触れないことは問題です。政策パンフレットにも憲法のけの字も載っていません。権力者が憲法を変えたいと言い出した時はよくよく注意した方が良いと憲法学者の木村草太さんはおっしゃっていました。
安保法もそうだったように、次の選挙で2/3以上の議席を獲得したら憲法改悪に突き進むだろうことは容易に想像ができます。自民党の憲法草案を現憲法と比較して見てみると、改めて現憲法の崇高さが際立ちます。前文の最初の一文字からして、現憲法は「日本国民は」と国民が主語になっていますが、自民党草案では「日本国は」と国家が主語になっているところから始まります。そのあとで日本国民は~と出てきますが、前文を見ただけでも国民より国家が優先される憲法だと思ってしまいます。憲法はそもそも権力者を縛るためのものであるはずですが、自民党案は随所に国民を縛り、義務を負わせるような文言が散りばめられています。戦後GHQによって押し付けられた憲法だという説もありますが、それは間違いだということが「日本国憲法 9条に込められた魂 鉄筆編」という書籍の中で明らかにされています。戦後、現憲法が作られたときの首相であった幣原(しではら)喜重郎氏から元衆議院議員平野三郎氏が戦争放棄条項等の生まれた事情を聞き取り、記したものが興味を引きました。
杉並・生活者ネットワークで先日企画した憲法カフェでは都留文科大学非常勤講師の丸浜江里子さんを講師に憲法のことについて学びました。もっともっと多くの方、特に小さいお子さんを持つお母さんやお父さんたちにこの話を聞いてもらいたいと思いました。私もまだまだ不勉強ですが、それでも今日本が置かれている状況に危機感をおぼえ、子どもたちにまともな日本を残しておかなければと強く思うからです。「一票を持たない子どもたちのために投票に行こう!」とおっしゃった丸浜さんの言葉が響きました。今度の参議院議員選挙は誰を選び誰を選ばないか、とても大事な選挙です。