SDGs時代の気候対策は原発ゼロで!

杉並生活者ネットが昨年、区長が変わったことを受け「あなたが最も重視している区政の課題は何ですか」という調査を行ったところ、若い世代から多く挙がったのが「気候変動」でした。気候危機は今もじわじわ進行し、若者の未来を奪う問題です。

日本は温室効果ガス削減に消極的であるという理由で国際的NGOから「化石賞」という不名誉な賞を何度も受賞するような環境後進国ですが、「2050年にCO₂排出実質ゼロ」を打ち出しました。しかし、原発に依存することでそれを達成させようとしている国の方針は断じて認められません。

地震が多い国であり、「3.11」の原発事故を経験した日本は、原発エネルギーと永久に決別し再生可能エネルギー100%をめざすべきです。

日本は食料もエネルギーの原料も輸入に頼っている国ですが、唯一、再生可能エネルギーは国内でまかなえます。 太陽光も、地熱も、風も、水もふんだんにあり、費用もかかりません。エネルギー政策は脱原発をベースに省エネと再エネに尽きると考えます。

エネルギー転換は国のやることだと言われるかもしれませんが、自治体がやれること、やるべきことはたくさんあります。

CO₂を出さない建物にするための断熱の設備、太陽光発電と併せて蓄電池の普及を進める、太陽熱利用を見直してもっと広げる、ガソリン車はやめる、自転車が安全に走れる道路や駐輪場を整備するなど環境施策を進めることで経済をいきいきと動かす、そういう杉並区でありたいと考えます。

ゼロカーボンシティ宣言を行い「2050年までにカーボンゼロ、2030年カーボンハーフ」の達成をうたう杉並区。実現するには区民一人ひとりの行動を促す必要があり、そのためのしかけとして、サイレントマジョリティーの声を引き出す(仮称)気候区民会議の設置を後押ししていきたいと思います。

「環境優先か経済か」どちらかを選択する時代は終わり、いま世界はSDGsの時代です。SDGsは環境問題への取り組みだと思われがちですが、そのトップに掲げられているのは貧困問題です。貧困問題の解決と、平和を守ることと、すべての人の人権を尊重すること、そして気候危機を回避することは全部、一本の線でつながっている問題です。「原発ゼロ」はその要になるのだと考えます。