SDGsとよく聞くようになったけど…
7月4日「SDGsと私たちのくらし 私たちが地域でできること」に参加した。講師は環境自治体会議環境政策研究所理事長の小澤はる奈さん。
SDGsは最近よく耳にすることが増えたが、SDGsの17のゴールを私が最初に知った時は、どれもこれまで私が大切にしてきたテーマであり、やっとかと正直思った。でも、ちゃんと中身を勉強していないなと思い今回のセミナーに参加した。
SDGs=持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)は2015年9月の「国連持続可能な開発サミット」で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の分野ごとに達成すべき状態を記述したもので、17のゴールと169のターゲットで構成されている。
2030アジェンダではその前身とされるミレニアム開発目標(MDGs)が途上国支援のため支援する側される側の二極化を生んでしまったとの反省もあり、全世界が目指す目標として以下のことをポイントとしている。
・17の目標とターゲットはバラバラに見ず、統合され不可分なものである
・持続可能な開発は環境・社会・経済の三側面の調和で。
・ゴールを先に設定し、そのために必要な取組みをバックキャスティングする
・すべての国、すべてのステークホルダーが協同して実行する
・今あるものの改善ではなく、大胆で変革的に
・誰一人取り残さない
あたりまえのことだけど国際的合意が得られたことに意義がある。
例えば、日本の場合、17のゴールの1番に掲げられている「貧困をなくそう」では想定的貧困は2016年15.7%でG7中2位。特に若者、高齢者、ひとり親の家庭に多く、ひとり親世帯の36%が食料の困窮を経験し、子どもの7人に1人が貧困との現実がある。また、12の「つくる責任つかう責任」では持続可能な生産消費形態を確保するゴールに対し、年間643万トンの食品ロスを発生させ、これは世界全体の食糧援助量の2倍に匹敵し、その廃棄コストは約2兆円。ワンウェイプラ容器の製造が増加する一方でアジア諸国では廃プラ輸入を規制し、処理しきれないプラが山積みになっている現実。日本の達成状況は2019年6月時点で162か国中15位。達成度合いを色別したアイコンでは17のゴールの内達成できているのは2つのみ。努力が必要6つ、相当まずいが4つとがっかりな状況だ。
小澤さんはSDGsは「私たちのくらし」の話であり、行政や企業にとっても施策・事業・活動のあり方や取り組み方を見直す羅針盤であると。SDGs的な視点・発想をもって世の中を見ることが必要だと。杉並区は今年度、基本構想策定に取り組む。改めてSDGsの視点からチェックしていきたい。