水道法改正は誰のため?① 民営化しても、しなくても水道料金は値上げに

19日に、杉並区消費者グループ連絡会が主催する学習会「世界の水事情と水道の民営化」に参加しました。講師は水ジャーナリストの橋本淳司さん。世界の水事情を危うくしているのは気候の変動と森林の伐採だということで、水道事業のことだけを切り取って議論しても根本の問題は解決できないという大きなところからお話は始まりました。

講師の橋本淳司さん(右)同僚議員そね文子(左)

橋本さんの仕事は海外が中心で、97.5%の水道普及率の日本国内では水問題は起こることはなかったと言います。8年前の3.11の原発事故により放射性物質による水汚染問題や昨今の水災害の頻発化、そして昨年の水道法改正で都度、水問題がクローズアップされたことはあっても、一過性のこととして終わってしまいがちだと。

私たちは蛇口をひねれば安全な水が出てくるのが当たり前になっていますが、水道事業を取り巻く問題は予想以上に深刻だということです。蛇口の水はどこからきて、排水溝に流した水はどこに行くのかなど、毎日考えながら暮らしている人は少ないと思いますが、そもそも水道水ははるか遠くの水源からダム、取水、導水、浄水場、配水管、給水管と様々な設備を経由して私たちのもとへと運ばれます。それらにかかる経費を人口で割ったものが水道料金となる訳ですが、民営化しようがしまいが水道料金は上がらざるを得ない構図であるということを改めて認識しました。