バリアが日常生活能力(ADL)の維持・向上のために大事!

2016年12月21日 09時39分 | カテゴリー: 活動報告

image2

横断歩道を渡れるようになるための工夫がされた廊下 

区議会保健福祉委員会の視察で大阪府高槻市・山口市・名古屋市を訪問し子育てや高齢者支援の取り組みについて見てきました。

中でも衝撃的だったのは山口市の「夢のみずうみ村」というデイサービスです。実はこの「夢のみずうみ村」は全国各地にデイサービスを直営やフランチャイズで展開していて、数年前にも一度、浦安での取り組みを視察したことがありました。今回は本家本元を視察できるということで楽しみに参加しました。以前に訪問したところとほとんど同じように取り組まれていますが、新たな発見もあり何度来ても楽しい高齢者のためのテーマパークのようです。

今や世の中はバリアフリーが当たり前ですが、この「夢のみずうみ村」はバリアだらけのバリアアリー。実はそのバリアが日常生活能力(ADL)の維持・向上にはとても重要だということをこのデイサービスの取組みを通して理解しました。

通常、イメージするデイサービスは建物の1階にあるとか、高齢者施設に併設されているというものですが、「夢のみずうみ村」は一見倉庫や工場のようで、建物の色も赤や黄色でド派手でドでかいというのが第一印象。送迎の車もボディーに「夢」と大きくペイントされ、これも全国一律。2013年に世田谷区内にも開所され、環八を走っていると「夢」のデイサービス送迎車によく出会います。

さて、施設に入ると案内をしてくれる利用者さんが出迎えてくれます。そして、なるべく杖は入口において行く。施設内は一見リサイクルセンターに来たかと勘違いするかのように箪笥やテーブルが無造作に置いてあるようで、実は手すりや壁がわりになっています。施設の廊下はだらだら坂になっていて、大きな階段もあります。プールや調理室、工芸室、リハビリマシーン、パソコン室などなど実に多彩なプログラムがあり、利用者は最初に今日やりたいことを自ら選択し、ホワイトボードのタイムスケジュールにプログラムごとのマグネットカードを貼ります。何もしない、ボーっとするという選択もありです。施設内のあちらこちらに脳トレクイズやエクササイズポイントがあって、それらに挑戦すると「ユーメ」という地域通貨がもらえ、施設内でのマッサージやコーヒー代として使うことができます。突然、廊下に横断歩道が現れ、国道を渡りきる練習などとにかく楽しい。食事もビュッフェ方式で自宅から持ってきたマイ食器で食べる。夢のみずうみ村では歩くことや立ちしゃがみ、服の脱ぎ着、家事や趣味活動までの幅広い生活上の行為を「生活行為力」と言い、その「生活行為力」を高めることを明確な目標にしています。そのため日々のデイは日常生活の延長線上にあり、地域の縮図のような場所だと感じました。お茶を飲みながら利用者さん同士でおしゃべり、パンを焼いたり、陶芸や絵画、カラオケやマージャン、おいちょかぶなど思い思いの場所で思い思いの時間を過ごすスタイルはこれまでのデイサービスのイメージとは全く異なるものです。そのため、全国から引きも切らず見学者がやってきて、そのたびに利用者さんが案内をするわけで、説明しながら施設内をくまなく歩くので、それもリハビリや介護予防になるというわけです。本当に何もかもがよくできていて、手作り感満載です。

ここでの取り組みは自宅での暮らしにもとてもヒントになることばかり。バリアフリーはかえってその人の残存能力を奪ってしまっているのではないかと気づきます。知恵と工夫が詰まった「夢のみずうみ村」一度は見学する価値大有りです。