都会だからこそ農地が必要!

2016年2月8日 06時29分 | カテゴリー: 活動報告

「畑と林の生き物調べ」 善福寺3丁目の畑で

「畑と林の生き物調べ」 善福寺3丁目の畑で

2015年4月に都市農業振興基本法が成立しました。この法律によって、都市つまり市街化区域には農地はいらないという国のこれまでの政策が、180度転換され、都市農地は必要不可欠なものと位置づけられました。東京には100年以上も続く農家がまだ何軒も頑張って残っています。昔は東京も田園風景が広がっていたはずですが、都市化がすすむにつれ農家は肩身の狭い思いを強いられるようになりました。
生産緑地に登録しなければ宅地並みに課税され、かといって税制優遇のある生産緑地に登録するためには500㎡以上の土地で30年間営農しなければならない条件があるため、どんどん東京から農地が消えていきました。私たち生活者ネットワークは当初から都市に農地は必要という立場から、そこでとれた農産物を食べ続けることで農地を残そうという運動をしてきました。
しかし、それも年月の経過とともに農家の高齢化や経営的な課題から食べ支えるだけでは農地を残せない厳しさが増す一方でした。そんな中、練馬の農家から発信された農業体験農園が都内に100を超えるまでに広がり、都市に農地を残す方法の一つとして期待されています。体験農園は個々が好き勝手に利用できるいわゆる市民農園とは違い、園主の指導のもとすべての区画で同じものを同じように栽培するため、確実な収穫が得られると同時に農業について学ぶ場にもなっていてとても人気があります。1区画4万円前後の利用料を払って8万円ほどの収穫物がゲットできると聞きました。園主にとっては年初に利用料がまとまって入ってくるため経営的にも安定するため、お互いにメリットが生まれる良い取り組みと注目し、生協で提携していた生産者にも提案し、実際に体験農園を始めたところもあります。
都市に農地を残すことは生産と消費がとても近いところで行われ、お互いの顔が見える利点があります。都会育ちの子どもは野菜と言えばスーパーに並ぶきれいにパッケージされた姿しか知りませんが、どのように育てられ収穫されるのか、身近に知る食育の機会にもなります。また、土はたくさんの雨をため込むことが出来、昨今の異常降雨の際にも重要な役割を果たしてくれます。ヒートアイランドを緩和する効果もあり、災害時の避難場所にもなります。食糧の生産だけにとどまらない多面的機能がやっと認められたことをうれしく思っています。
都市農業の安定的な継続と都市農業の有する機能の適切・十分な発揮によって良好な都市環境の形成を目的として制定された「都市農業振興基本法」。農水・国交両省は1月19日、この法に基づく都市農業振興基本計画素案を自民党に提示し、2月末までパブリックコメントを募集中です。その後、各自治体で基本計画が策定される流れになっているようです。
都市農業を残したいと思っている方、ぜひパブコメを農水・国交省に送りましょう!