ユニークな助成制度「草の根市民基金ぐらん」

2月23日は「草の根市民基金ぐらん」の公開選考会でした。ぐらんは一人ひとりの市民の方々からの寄付に支えられている基金です。社会課題の解決に取り組むNGOやNPOに対して年1回、公開の場で助成を決定します。1995年から毎年行っており、最も古い市民ファンドだと言われています。

今年はアジアで活動する団体枠10、都内で活動する団体枠15の応募団体の内、書類選考を通過したアジア5団体、都内10団体がプレゼンに臨みました。限られた時間(7分+再プレゼン3分)内で選考にあたる運営委員や選考委員や傍聴者の前で活動の概要や助成対象事業のアピールを行います。最近はどこの団体もパワーポイントを使って、ビジュアル的にかつスマートにプレゼンをされるのが印象的です。

今年は社会的弱者を支援する団体が多く見受けられましたが、それぞれに切り口が違うため、興味が持てます。たぶん、参加している団体にとっても刺激になったり、交流やコラボにつながるきっかけにもなるのではないかと感じます。

アジア枠では①NPO法人ホープフル・タッチのカンボジアでの「水上コミュニティにおける持続可能な教育アクセスの改善」②NPO法人アクセプト・インターナショナルのインドネシアでの「元テロリストを対象とした脱過激派・積極的社会復帰プロジェクト」の2団体が選ばれました。また、都内枠では①NPO法人チャイボラの「社会的養護下における施設見学会・就職セミナー等の情報サイトの立ち上げ・運営」②一般社団法人東京TSネットの「更生支援コーディネートと連続セミナー・事例検討会」③NPO法人楽の会リーラの「不登校・ひきこもり発達障害等生きづらさサポーター養成講座事業」④一般社団法人キャンサーペアレンツの「がんになった親と子に向けた『えほんプロジェクト』」⑤寄り添いを考える会の「食を通じた不登校の安心安全な居場所づくり」の5団体が選ばれました。どの団体が選ばれてもよいくらい差のない中で選ぶという行為は結構苦しいものです。

児童養護施設の人材不足の現状に対して、各施設の見学会や就職説明会、イベント情報などをまとめたサイトを立ち上げ、施設に関心ある人と施設の接点を強化することで働き手を増やす取組み(チャイボラ)や、がんを罹患した親が子どもにそのことをどう伝えるか迷い悩んだ経験を活かし、同じ立場にある親子向けのえほんを制作し、学校や図書館、病院などにおいてもらうという取組み(キャンサーペアレンツ)については区政にもつなげたいことであり、今後、情報共有する機会を改めてつくっていきたいと思いました。

最大50万円という決して大きくない助成金ですが、市民活動を応援したいという2000人近い寄付者の思いがこもっています。どの団体の活動も大きく羽ばたきますように!!