やっとなくなった放置自転車 -視覚障がい者がとても困っていたこと

 

1年半前に全盲の方から、東京メトロ丸の内線の南阿佐ヶ谷駅のエレベーター近くの私道の部分に設置された点字ブロックの上が放置自転車でふさがっていて、とても困っているという相談を受けました。杉並ネット事務所のすぐ目の前のことなのに、私も気づかずにいたことを恥ずかしく思いました。すぐさま区につなぎ、議会質問でも取り上げましたが一向に改善されず、区にも度々要望しましたが、全地権者の合意を得るのに時間を要しているようでした。その間、地下鉄も貼り紙をして、自転車を停めないよう呼びかけていましたが、今ひとつ効果はありませんでした。

現在はこのような状態に

 

視覚障がい者が白杖で確認しながら歩く黄色いブロックにも自転車があった3月の様子

点字ブロックの上に堂々と置かれている自転車を見るにつけ、白杖の方の困っている姿が目に浮かび、早く何とかしなければと思っていました。先日、いつもより自転車の数が少なく、どうしたことかと近寄ってみると、どうりで、いよいよ12/15から放置自転車禁止区域に指定されるという貼り紙や看板がありました。「お〜!ついに放置自転車禁止区域になったか」と安堵しました。そして、週明けに行ってみると、なんと一台もいないじゃないですか。禁止区域でなくても点字ブロックの上はNGなんだけど、その認識を持ってもらえたか、貼り紙には歩行者に迷惑になるとしか書いてありませんでした。視覚障がいの方にとってはとても危険なことだということを知って ほしいと思います。

何はともあれ、安全に通行できるようになり、相談のあった当事者の方も喜んでいました。これは、一例ですが、視覚障がい者の立場でまちをみると、まだまだ、点字ブロックの設置は十分ではないし、音のなる信号機も少ない状態です。設置の相談もどこに行けばよいのか、区だったり警察だったりとたらい回しにされることもあるようです。わかりやすい総合相談窓口の案内が必要です。そして、何より人の意識のバリアフリーをすすめていかなければなりません。

街中で困った様子の方を見かけたら、驚かせないようにそっと「何かお困りですか?お手伝いを致しましょうか?」と声をかけてあげてください。一つひとつ、気づいたら声に出す、そこから解決に繋げていきたいと思います。

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