びっくりのマンション管理組合を紹介します

2018年7月19日 19時41分 | カテゴリー: 活動報告

西京極大門ハイツ管理組合法人 佐藤芳雄理事長
手に持っているのが「まちづくりマスタープラン」

7月1日に参加した「もうひとつの住まい方推進協議会」のシンポジウム。今回は京都の西京極大門ハイツの管理組合の佐藤理事長のお話。次から次と驚きの取組みが紹介され、すごいぞ!西京極大門ハイツ管理組合ほ・う・じ・ん。そう、この管理組合は法人格を取得していることにまずびっくり。

築14年目完了の第1回目の大規模修繕工事の費用不足分を住宅公庫から借り入れるために法人化したのが1987年12月。借金返済したら法人解散するつもりが、その手続きの面倒さからそのまま約30年。でも、そのことが今のすごさにつながっていると感じました。

次の驚きはこのマンションには「まちづくりマスタープラン」があるということ。最初、行政のマスタープランの話と思っていたら、マンションのだとわかってきました。大規模修繕の資金不足の経験から修繕計画の必要性とそれを実行していくための体制づくりと資金作りの裏付けを「このマンションをどうしていくのか」の共通認識のもと作り上げたとのこと。管理組合法人の理事長は通常2年ぐらいで交代らしく、この日お話いただいた佐藤さんは初めて3年目を担っているということでした。それでも、運営が脈々と受け継がれてきたのはマスタープランと共に運営体制がしっかりと構築されているからだと理解しました。190戸からなる大門ハイツでは住民自治がしっかり根付いています。管理組合は理事会・評議員会・監事・用地等取得審査会からなり、理事会のもとには修繕工事や日常管理、設備管理などの日常運営の他、ペット飼育者会、防災委員会、子ども文庫運営委員会、コミュニティ委員会があります。日常管理を行う管理員、清掃員を居住者の中から7名管理組合が直接雇用しているというのも面白い。また、コミュニティ委員会では8名の委員で構成され、理事長や町会長も参加し、コミュニティホールの運営やまつり等コミュニティ活動の支援、キャンプ道具や海外旅行用スーツケースなど行事用品の貸出、文化、厚生活動及びサークル等居住者親睦活動の支援など年間約100万円の予算で運営を行っています。

すごいことはまだまだあって、毎週日曜日の朝8時30分~11時30分オープンの日曜喫茶では年間51回のモーニングサービスを外部にも提供し採算のとれた事業となっていること、まつりで使う鍋・コンロなどの道具類も自前で所持しており、年4回行われるまつりは防災の炊き出し訓練をこそっと兼ねていること、敷地内には防災倉庫も非常用トイレもあること、バリアフリー化を徹底し、時間節約のためAEDをエレベーターの中に設置していること、工事関係では外断熱を施し省エネ効果を発揮していること、太陽光パネル設置で売電収益を得ていること、屋上から1階までの貫通配管や電気配線も電気自動車対応や災害時の復旧のことも考えれれていること、各戸の修繕履歴を把握し資産価値の管理ができる仕組みができていること、売却を希望する場合は大門ハイツの活動を表現したパンフレットを3000円で提供し、ここに住みたいと思う人に購入してほしいという発信がされていること、集合ポストもすべて名前入り、震災時の安否確認のルールがあること、建替えに備えて隣地の470.51㎡を既に購入していること、管理組合が所有する物件を店舗やATMに貸して賃貸料収入を得ていることなどなど、管理組合法人としての収益事業もさることながら、知恵と工夫が詰まった取組みには本当に感銘を受けました。こうして、築42年の大門ハイツはハードソフトの両面から維持管理をし、資産価値を上げています。古いマンションの住民の高齢化や空き室問題など維持管理が社会問題となっている中で、住民自治による取組みはとても参考になる話でした。